仕事の給料ばかり気にしている時は、仕事内容に自信がないとき

自分を振り返って思うことなのだが、自分の仕事に自信がない時は、すぐに給料やコスパの話をしたがるように思う。

なぜ人は、自分の仕事に自信がない場合は、すぐに給料の話をしたくなるのだろう。これは自分の仕事内容に自信が無いことを、給料の高さで打ち消そうとしているからではないか。大した仕事ができていない自分は大して役に立っていないというネガティブな自己評価を「いやいやそれでも給料は高い」と考えることで、価値があるように錯覚しようとしているのだ。

自分を振り返ってみると、お金稼ぎのためだけに医者バイトを繰り返していた時は、いつも給料のことを考えていた。まあ金を稼ぐのが目的であったため、給料に着目することは至極当然かもしれないが、仕事の内容がショボかったことも大いに関係しているように思う。一時的にそのような仕事を沢山やってみるのも面白いが、人生の中心に据えるものではないと思った。

逆に、仕事がうまく行っていて、自分の仕事内容に自身がある時は、自分の給料のことはあまり気にならない。給料の額を確認しても、自分は給料以上の仕事ができていると考えるし、自分の仕事で周りや世の中にいい影響を与えられていると考える。金銭以外で報われている面が多いので、あまり給料が重要ではなくなるのだ。

医師をしていると、立派だがお金にならない仕事と、やってても全然すごくないがお金になる仕事のどちらを選ぶか?という場面に出くわす。その割合の決め方は、自分だけで決めれる人もいるが、多くの場合職場の上司が指示することが多い。お金はほしいが、医者として上にも登りたい・・・。こういったトレードオフに対して、自分の意志で判断を下せる人は少数派だと思う。多くの人にとっては他人に判断してもらった方が幸せでないだろうか。

逆に、自分の軸が定まっていて、それに基づいて適切に仕事を取捨選択できる人は立派だと思う。勇気のある人で、尊敬に値する。

給料の高さは必ずしも仕事の質を評価するものではない。給料を規定する因子の中に各人のパフォーマンスが組み込まれていることに疑いはないが、実際には業種や業界、自分の現在のポジショニングが占めている割合の方が大きいだろう。そう考えると、給料の高い低いで、各個人の仕事の良し悪しを評価するのは、時に的外れとなることは肝に銘じておくべきだ。

自分の仕事に関して話をする時は、その内容について熱く語れるようになりたい。その給料や待遇の良さだけでしか良さを伝えられないのは、とても残念なことであるように思うのだ。