2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

つまらない仕事をして金が稼げても虚しい

金が簡単に儲かるけれどつまらない仕事って、世の中にはあんまりなさそうなんだけど、医療界にはたくさんある。実際、自分もそのような甘い汁をすすってきた面もある。特に勉強のために時間がほしいけど留学に必要な資金もほしい、というような場面では非常…

医者が腕を磨く理由はあるのか

僕は医師3年目の頃は米軍病院に勤めていた。医療通訳のようなポジションであったため、給料は手取り15万ぐらいだった。そこで小銭を稼ぐために日雇いの医者バイトを行った。数カ所の病院に勤務してみたわけだが、行く先々で「すごい優秀な先生が来た!」…

医師とサラリーマンのワークライフバランス

5年と数ヶ月、臨床医としてのキャリアを歩んできた。現在は一旦中断し、製薬企業で働いている。転職を決めたときは様々な葛藤があったが今では概ね楽しく生きている。 臨床医から製薬企業への転職する理由として「ワークライフバランス」が挙げられる。医療…

あなたに処方される薬を医者はどうやって決めているのか?あるいは製薬企業のマーケティングとは何か?

前回の記事で、承認された新薬には独占販売期間があり、その数年間で売りまくって利益を上げる、という話をした。それはそのとおりなのだが実際のところはどうなのだろうか。 医療界に一般的なことだが、一つの病気に対して、常に何種類かの薬の選択肢がある…

製薬企業のビジネスをサラリーマン歴4ヶ月の医師が語る

前回の記事にも書いたが、新薬の開発には大変な手間がかかる。 物質として作成した時から実際に販売されるまでは、短くても10~15年、費用は1000億円ぐらい必要となる。化学合成物質による新薬はもはや鉱脈が彫り尽くされ開発不能と言われていおり、現代では…

製薬企業における「開発」とはなにか

物質Aは、理論的には疾患Xに著明な効果を示すはずだが、まだネズミとサルにしか投与しておらず、人間に投与したら何が起こるかは未知数である。仮に疾患Xに効いたとしても、昔からある薬Bのほうが効果が高かったら、存在する価値がない。国民の税金を財源と…

製薬企業とは、どういった人の集まりなのか

外資系製薬企業における日本支社の規模は、社員数にして大体2000-4000人ぐらいである。 製薬企業の人は「営業系」と「内勤系」に大きく二分され、各々に所属している人数も半々ぐらいである。これら2つは相当に距離のある職種であり、僕は基本的には内勤の…

臨床医を続ける限り、選択肢は減り続ける

医師のキャリアは、どんどん閉じていく。 選択肢が減っていく、と言い換えたほうが良いかもしれない。 医学部に入った時点で、医師になることが自動的に決まる。無限の職業が世の中にある中で、医師という仕事に限定される。18歳の段階である。他の学部で…

臨床医が血迷って企業への転職を決意したとき、どのように候補を絞るのか

臨床医から企業への転職を検討したとき、どの企業を選べば良いのだろうか。これは自分も散々悩んだ。決めていくプロセスの中で、いくつか普遍的に使えそうな切り口があったので、ここに記す。 製薬企業 全般的な話 一般的に転職エージェントが提案してくる企…

転職エージェントに聞く「なぜ臨床医が製薬企業から求められるのか?」

Linkedinに医師が登録した場合、メッセージが届く。 だいたいこんな感じである。 *** 長崎先生 はじめまして。私〇〇コンサルティングの鈴木と申します。これまで多くの医師の方へキャリアプランのご提案をさせていただいており、臨床医の方を製薬メーカ…

医師6年目で外資系製薬企業への転職を検討した当時の心境と転職エージェントのセールストーク

市中病院の若手総合内科医が製薬企業への転職を考えた理由 医師3年目。僕は米軍病院勤務中に米国医師免許を取得した。僕はそこで満足してしまい、アメリカ行きを取りやめた。 意気揚々と古巣の湘南鎌倉総合病院に戻り、内科後期研修医になった。これは初期研…